2015年11月14日(土)窪田空穂生家将棋教室レポート

楽しみにしていた窪田空穂生家将棋教室がはじまりました。

この教室は每年夏と秋2回、プロ棋士4名(時には5名)が講師として来て下さいます。

教室の設立から毎回関わってくださっている石川陽生七段と、大きな声でほめてくれるので有名な小林宏七段、そして長野出身の田中悠一五段、twitter「東竜門~関東若手棋士~」ご存知、藤森哲也四段です。

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開会式。午前の部は小中学生対象。

前日の学校訪問もあり、たくさんの小学生が集まってくれました。

空穂教室を支えてくださっている事務局長の山下先生(右)と空穂記念館館長先生のお話。

山下先生のお話の最中、藤森先生は小学生とアイコンタクトでお話をされているようです。

 

この教室では毎回「プロ棋士による模範対局」が行われます。間近でプロ棋士の対局を見られるとあって、子どもたちも緊張してちんまり座っています。誰に促されたわけでもなく自然に小さい子を前に譲っていました(えらい!)

対局は田中五段と藤森四段。解説は石川七段と小林七段。

「上座」と「下座」・駒の並べかた(大橋流)・振り駒のやり方などを解説付きで教えてもらったあと、観戦です。

田中先生が中飛車・藤森先生が居飛車です。


子どもたちが観戦している間、塩尻支部の先生方が急いで会場の準備をしていらっしゃいました。

模範対局が終わり、次は指導対局です。

石川先生との対局。教わったばかりの振り駒。緊張の一瞬!

石川先生はこの教室をとても大切にしてくださっています。

会のご挨拶では「空穂生家という文化財の建物の中で、日本の伝統文化である将棋を指す、というのはとても有意義なこと。初めての子、強い子、やる気のある子・・・いろんな人が来て指すことを大事にしています」と、おっしゃっていました。

小林先生は「大きな声で元気よくほめてくれる」ので感想戦が始まると注目の的!

「いい手だなー、この飛車打ちいい手だなー」

「すばらしい!筋がいい!いい手だなー」

小林先生は模範対局の時に「やる手を決めてから駒を触ること」と「強くなりたい子は姿勢よく!姿勢がよいほうがかっこいい」というお話をされました。

そのせいか、プロ棋士の前に座るとピンと背筋がかっこよく伸びてる子が多かったと思います。


長野県出身の棋士・田中悠一先生。いつも空穂教室を楽しみにしてくださっているそうです。

「初心者から上級者まで、しっかり気合を入れて指導をしている」とのこと。

模範対局では「将棋は”お願いします”と”ありがとうございました”というあいさつができれば楽しく指せます。将棋の技術以外のところをしっかりやることが大事です」とおっしゃっていました。


藤森先生は教室のあいさつで「指導対局では感想戦をていねいにすることを心がけています。その時に教えたことを次の対局で活かしているとすごく嬉しいです」とおっしゃっていました。そして教室の子たちを「集中していてすごい!」とほめてくださいました。

しっかり目を見て感想戦をしてくださる藤森先生。優しい!

さて。

空穂教室では将棋のルール、駒の動かし方もまだ知らない子にも安心な「初心者教室」があります。

講師は塩尻支部の物腰が柔らかいかっこいいお兄さんの土屋先生と、東京で「将棋ルーム まかろん」の講師をされている中村先生(通称みるくさん)

今回は生徒さんがちょっと少なめの3名。その分しっかり将棋の基礎をおしえてもらいました。


生徒さん「わかった!」

先生もうれしそう!

将棋の基礎がわかったら早速プロに挑戦!

相手は田中先生!相手に不足はないぞ!? 田中先生は王様一枚。

さて、上手に捕まえることはできるかな。

田中先生は「ルールを覚えたての子が紙をみながら竜と馬を作って挑んでくるのはすごいこと。1日で上達できるこの教室はすごい!」と喜んでました。

プロ棋士の指導対局を待っている間、塩尻支部の先生方がお相手をして下さいます。

(写真左上)我らがMSG総統さまこと丸山先生。MSG掲示板には長野県将棋ファンがいつもお世話になっています。

(右上)ていちゃんこと柏原先生。

(左下)26年度詰将棋門脇賞を受賞された筒井先生。

(右下)小学生男子にもてもて松本先生。

優しい雰囲気のおにいさん先生、赤木先生。

赤木先生は若いですが人望がとても厚く、今年から塩尻支部支部長になりました。

県内で一番若い支部長さんです。

赤木支部長とお話しているのは、誰でしょう。(正解はレポートの最後で)

さて、そろそろ午前の部終了時刻です。

午前の部閉会式。

「午後の将棋大会に出たい人は手をあげてください」

「はい」「はい」「はい」「はーい!!」

空穂将棋教室事務局長、山下先生のお話。

「皆さん、模範対局はいかがでしたか。プロの先生は正しい姿勢、真剣に指していました。かっこよくてすごいですね。そしてそれを見ていたみなさんも姿勢よく指していてかっこよかったです。プロの先生方の心構えを学んでいたんですね。」

山下先生は小学校の教頭先生。先生からほめてもらえて子どもたちも嬉しそうでした。

  山下先生の「空穂教室のなりたち」是非ご一読ください。(PDF)

お昼休み

プロの先生方の控室に特別にお邪魔させていただきました。

お食事の後は藤森先生が大忙し。午後の将棋大会の賞品の本にサインをしたり、石川先生・小林先生にtwitterとFacebookの違いを説明したり。

藤森流急戦矢倉」おすすめの一冊です!

午後の部

おまちかね。午後はこども将棋大会。

子どもたちが怪訝な顔をして見つめる先は・・・・・「神」!?

でもさすが空穂教室のこどもたち。

騒ぎたても動揺もせず静かに粛々と対局が進められていきます。

小さくても立派な棋士。

プロ棋士に教わった通りあいさつもしっかり、背筋もピンと姿勢よく。

午後は大人も指導対局を受けられます。

こどもも大会に参加せず指導対局を選ぶことができます。

初心者講座の講師、土屋先生とみるく先生のガチンコ勝負!

立会人が乗り出して観戦中!?

将棋を覚えたてのふたりに優しく美濃囲いを教えてくれる藤森先生。

石川先生が思わず「う~~ん・・・困った」

プロの先生が困る姿はちょっとうれしいです。

小林先生の指導を受けるMSG総統さま。

プロ棋士の指導で覚えたテクニックを支部で、各種イベントの練習将棋などで長野のこどもたちに還元してくれています。いつもありがとうございます。

つきそいのおかあさんも、講師のみるくさんもプロ棋士に挑戦!

駒落ちで教えていただいていました。

余談ですが、私(サイト管理人・テツ母)も田中先生に挑戦させていただきました。いい思い出になりました♪

楽しかった時間は過ぎるのが早いですね。

閉会式。そして将棋大会の表彰です。

たくさん指してたくさん友だちもできて・・・・

こどもたち、みんなニコニコ顔でした!

「先生、あの、プロ棋士の先生って何手先まで読めるんですか?」

「そうだなあ。20手くらいかな。」

「君は将棋を初めてどのくらい?まず3手先を読むようにしてごらん。強くなるよ」

少年と藤森先生、石川先生の会話を聞いていた神様が向こうでにっこり頷いていました。

窪田空穂将棋教室終了後の控室

先生方からのこぼれ話

指導対局で負けて泣く子は時々いるそうですが、

「指導対局で勝って泣いた子は初めてでした」と、石川先生。

よっぽど嬉しかったんでしょうね。

前日は小学校2校訪問、今日は空穂教室と二日間たっぷりご指導をありがとうございました。

また来年プロ棋士の先生方とお会いできるのを楽しみにしています。

おまけ

レポート中ほど、赤木支部長とお話されていたのは岐阜から来られた神谷先生。

詰将棋界のすごい人。筒井先生と仲良しです。

再会を喜びすぎの筒井先生!?

☆☆☆☆☆

最後に恒例!

プロ棋士の先生方の写真集☆

 

今回も空穂教室レポートをご覧頂きありがとうございました。

 

 2015年7月の空穂生家将棋教室のレポートはこちらです。