窪田空穂生家こども将棋教室の季節です。
今年も教室の前日、松本市山辺小学校・鎌田小学校にプロ棋士が出向き、将棋教室が行われました。
写真は7月18日付信濃毎日新聞です。
開会式10分前。
たくさんの子どもたちが待ちきれず友達との練習将棋をはじめています。
今回は午前午後合わせてのべ100名の参加がありました。
今回のゲスト棋士は(右から)
石川陽生七段、横山泰明六段、田中悠一五段、初参加の渡辺大夢四段です。
(写真をクリックすると大きくなります)
開会式では横山泰明六段の「最多連勝賞」「C1昇級」「王位リーグ入り」を
渡辺大夢四段の「C2昇級」をお祝いして花束と記念品の贈呈式もありました。
横山先生、渡辺先生のこれからのますますのご活躍を期待したいです!
プロ棋士による模範対局。
プロ棋士の対局を間近で見られるこの教室。
盤を前にした時のプロ棋士の醸し出す空気。
床の間がある方が上位者が座ること、駒の並べ方、振り駒のやり方、など、石川先生の丁寧な説明を聞きながら、子どもたちは田中先生、渡辺先生の所作を静かに見つめます。
模範対局は時間の関係で指掛けで終わり。
田中先生が駒の片付け方についてお話しています。
プロ棋士の先生が、駒をとても大事に扱っているところがよくわかりました。
今年で16年目を迎える窪田空穂生家こども将棋教室。
設立から中心となって活動してくださっている石川陽生七段は、空穂教室の「おとうさん」のような存在です。
地方の子どもたちのとって、プロ棋士から将棋を教えてもらうということは本当はとてもハードルが高いこと。
その高いハードルをひょひょいと脇にどけ、いつも長野の子どもたちの近くにいてくれる石川先生。
「大好き!石川先生!」
横山泰明六段。
「こうやって手の中で駒を振るんだよ」
振り駒の作法を教えてもらってます。
「あれ?ひとつ立っちゃってるね」(笑)
気さくなかっこいいお兄さん先生。子どもたちも憧れています。
長野出身の田中悠一五段。
2008年にプロ棋士になってからほぼ每年空穂教室に来てくださっています。
今年の中学選手権男子代表選手がいます(右の写真)
「この教室で強くなっていく子を見るのが楽しみです」と、田中先生。
今回初参加の渡辺大夢四段。
油断していたのでしょうか、閉会式で「皆さんしっかりした将棋を指していてびっくりしました。特に対局した女の子には矢倉でコテンパンにされてしまいました・・・(汗)」と、おっしゃっていました。
アマチュアの先生方。
プロに劣らず教えるのがとても上手な先生が揃っているのがこの教室の特徴です。
(左上)丸山先生。「MSG総統さま」の通り名が有名でしょうか。「MSG掲示板」は長野県将棋情報発信のパイオニア、長野県将棋情報サイトのお兄さんです。
(右上)松本先生。別名「北部遠征師団長」長野県下、どんな遠くでも指導のために足を運んでくださる先生です。お気軽に相談して大丈夫です。
(左下)清板先生。「せぃ先生」県外在住ですが、空穂教室に時々指導に来てくださる将棋が強くてやさしいお兄さん先生です。
(右下)赤木先生。通称「艦長」将棋は「右玉」車は「クラシック」。なんでも相談できる頼れる兄貴的な先生です。
こちらは初心者教室。
本当に将棋を全然知らなくても空穂教室なら大丈夫!
中村仁美先生、通称「みるく」さんと、塩尻支部きってのイケメン強豪土屋先生、通称「総裁閣下」が懇切丁寧にわかるまで教えてくれます。
盤に駒を置いて駒の動ける場所をおはじきで示しながら詰将棋のお勉強。
おかあさんたちもつい夢中になっちゃうおもしろさ!
駒の動かし方と簡単な詰みを覚えたらプロの先生に挑戦だ!
今回は山梨県連の「スーパー宴会部長」こと内藤さんが、教室の視察に来られていました。
視察だけではなく、子どもたちへの指導もしてくださいました。内藤さん、どこに行っても人気者です。
午前の部、閉会式。
前日の学校訪問で訪れた小学校からも参加者がありました。
プロの先生方のおかげで将棋の楽しさに目覚めた子たち。午後の部も楽しみだね!
【お昼休み】
余談ですが、夏の空穂教室は「すいか祭り」と日程がかぶることが多いのです。
ことしもドンピシャ!デザートにおいしいスイカ(試食)をいただいてきました。
お買い得価格なので、たくさん買ってしまいました♪
午後の部、開会式。
午後は大人も指導を受けられます。
シニアの先生方のいい表情!
プロ棋士に教えていただけるのが本当にうれしそうです。
右は田中先生の指導を受けるせぃ先生♪
背筋を伸ばして正座をして指導対局の様子をみていらっしゃるのは塩尻支部の山下同先生。
窪田空穂生家こども将棋教室は、なりたちのきっかけと働きかけ、長年の努力とつみかさね、全てにおいて山下先生の存在なくしては語れません。2013年には長年の功績により日本将棋連盟から「棋道指導員昇格」された素晴らしい先生です。
空穂教室のなりたちは こちらに詳しく掲載されています→「プロ棋士との交流を通しての豊かな心の育成と地域文化振興」【PDF】
渡辺先生のご指導の風景。息子さんのつきそいで来ていたおかあさんが挑戦!
なんと勝ってしまったというから恐れ入ります。
横山先生も上着を脱いでアツいご指導を続けています。
田中先生の指導を受けている女の子は今年の中学選抜女子代表です。
大会前の稽古でしっかり力をつけたことでしょう。
午後の初心者教室では午前から引き続き大人の方と、かわいい女流棋士がふたり。
女流棋士と入れ替えに私も教えていただきました。(右の写真は内藤さんからいただきました)
駒の動かし方が分かる程度の棋力ですが(棋力って言っていいのか・・)みるくさんが「大丈夫です!この後プロの指導を受けましょう!」とオソロシイことを言うのです。
みるくさんが王様と金、歩9枚。私が飛車と角を繰り出して王を・・・じゃなかった「金」を捉えるお稽古。
みるくさんの指導は小道具もかわいらしく、語り口もやさしく小さいけれどよく通る声で言葉を選んで教えてくれるのでとてもリラックスできます。
「ほーら、ここまでできれば次はプロの先生に挑戦しましょう!」
「え・・・マジですか?」
窪田空穂生家こども将棋教室に通い始めて10年。
はじめてのプロ棋士との対局は初参加の渡辺先生。しかも隣は強豪艦長先生。
時間がなく、残念ながら指掛けになりましたが渡辺先生が「いい手」を褒めてくださったのがとても嬉しかったです。
塩尻支部前支部長の馬場先生が以前よく「プロとの対局は一生の思い出になります」とおっしゃっていた意味が実感としてよくわかりました。
閉会式。
石川先生のお話
この将棋教室は歴史的な建物の中での伝統文化の教室です。
今日も指導の中であいさつについて話すことがありましたが、将棋にかぎらず他のことでもあいさつは大事です。
横山先生のお話
先日、脳に関する本を読んだ所、その日にあったことを書く、話す、と記憶に定着できるそうです。今日将棋をさしてほめてもらったことを、おとうさんおかあさんに是非話してみてください。
田中先生のお話
空穂教室に参加するのは13~4回めになります。
子どもたちが前回より大きくなり、前回のアドバイスを受けて強くなっていて嬉しく思います。11月にも是非参加したいです。
渡辺先生のお話
素晴らしい雰囲気の中で、子どもたちがしっかりした将棋を指していたのが印象的でした。
模範対局も含め一日楽しませていただきました。
会終了後、今回特別に先生方の控室に入れていただきました。
プロの先生方もアマチュアの先生方もみんな仲良し。和やかな雰囲気で反省会(?)
山下先生は空穂記念館艦長先生と早くも次回の空穂教室の打ち合わせをしています。
次回は秋。楽しみですね!
写真は衣装替えしたMSG総統様とお祝いの花束を嬉しそうにお持ちの渡辺先生☆
もっとプロ棋士の写真をじっくり見たい!という要望がきっとあるはず!
ということで写真集のページを作りました。こちらからお入りください。